オーストラリアの看護学修士課程(Master of Nursing)は、
日本人が海外で正看護師(Registered Nurse)資格を取得するための、現実的かつ評価の高い進学ルートです。

留学先の都市環境は安全なのか
卒業後に現地で働けるのか
修了すれば正看護師として登録できるのか
学費や生活コストはどの程度か

こうした疑問を持つ方に向けて、本記事では主要大学の実例とともに、オーストラリア看護修士留学の全体像を整理します。

1|大学の所在地と安心できる生活環境

オーストラリアの看護学修士課程は、主要都市および地方都市に幅広く設置されています。
いずれの都市も多文化で留学生受け入れに慣れており、治安面での安心感が高い点が共通しています。

銃規制が厳しいオーストラリアでは、日本と近い感覚で日常生活を送ることができます。

都市ごとの傾向は以下の通りです。

メルボルン
落ち着いた文化都市。教育・医療レベルが高く、留学生の定住率も高い。

ブリスベン
温暖な気候で生活しやすく、学費・生活費のバランスが良い。

シドニー
国際都市で刺激が多い一方、家賃は高め。就職機会は豊富。

アデレード
コンパクトで治安が良く、学業に集中しやすい。

2|主要大学別:学費・入学条件(比較)

大学選びでは「都市」だけでなく、「入学条件」と「総コスト」が結果を左右します。
以下は代表的な看護修士課程の比較です(年度により変動あり)。

Monash University(メルボルン)

  • 期間:2年/入学:2月・7月
  • 年間学費:$47,400
  • 出願目安:専攻不問。ただし Human Anatomy または Physiology の前提科目が必要(オンラインで代替可)
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 66(各・W58)/ TOEFL iBT 98
  • 奨学金:最大 年$10,000(要確認)
  • 周辺環境:大都市圏で生活インフラが整い、留学生が暮らしやすい。

Western Sydney University(シドニー西部:Parramatta / Hawkesbury)

  • 期間:2年/入学:1月
  • 年間学費:$39,606(/年)
  • 出願目安:関連学位が基本(不足分はオンライン科目で補完可)
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 65(各)/ TOEFL iBT 94
  • 奨学金:成績により 年$5,000 または $10,000
  • 周辺環境:西シドニーの生活圏。郊外型で住居費を抑えやすい選択肢になりやすい。

Queensland University of Technology(QUT:ブリスベン)

  • 期間:2年/入学:2月
  • 年間学費:$45,300
  • 出願目安:専攻不問。卒業10年以内、GPA 4.0/7.0以上
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 66(W58)/ TOEFL iBT 98(S23, other 24)
  • 周辺環境:ブリスベンは温暖で暮らしやすく、学生生活の導線が作りやすい都市。

University of Adelaide(アデレード)

  • 期間:2年/入学:2月・7月
  • 年間学費:$54,900
  • 出願目安:学士以上+ Human Physiology または Anatomy(オンライン代替可)
  • 英語:IELTS 7.0(各)/ PTE 72(各)/ TOEFL iBT 94
  • 奨学金:成績により 授業料の15% または30%
  • 周辺環境:都市規模がコンパクトで、落ち着いて学びたい層に相性が良い。

Southern Cross University(ゴールドコースト/Coffs Harbour/Lismore)

  • 期間:2年/入学:1月・8月
  • 年間学費:$36,000(/年)
  • 出願目安:学士+成績60%以上Human Biology の前提科目(不足はオンライン代替可)
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 66(W56)/ TOEFL iBT 94(W27)
  • 周辺環境:海沿い・地方色が強いキャンパス。生活設計は“移動手段”も含めて検討が必要。

Curtin University(パース)

  • 期間:2年/入学:7月
  • 年間学費:$36,603
  • 出願目安:学士+成績70%以上Human Biology 関連の前提科目
  • 英語:IELTS 7.0(各)/ PTE 65(各)/ TOEFL iBT 99
  • 奨学金:成績により 授業料20%
  • 周辺環境:落ち着いた西海岸都市。大都市ほど混雑せず、生活リズムを作りやすい。

University of Queensland(UQ:ブリスベン)

  • 期間:2年/入学:2月
  • 年間学費:$41,120
  • 出願目安:卒業10年以内、GPA 4.0/7.0以上
  • 英語:IELTS 7.0(各)/ PTE 72(各)/ TOEFL iBT 100
  • 周辺環境:ブリスベンの中でも学生が多いエリアで生活の選択肢が広い。

University of Wollongong(ウーロンゴン:シドニー近郊)

  • 期間:2年/入学:1月(2次募集:8月締切表記あり)
  • 年間学費:$41,760(/年)
  • 出願目安:卒業10年以内、GPA 60%以上
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 66(各・W56)/ TOEFL iBT 94
  • 奨学金:成績により 最大30%
  • 周辺環境:海沿いの落ち着いた街で、シドニー圏にアクセスしやすい生活圏。

University of Canberra(キャンベラACT)

  • 期間:2年/入学:2月
  • 学費:$48,200(提示額。年額/総額は要確認)
  • 出願目安:卒業10年以内、成績によりオファー判断
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 66(各・W56)/ TOEFL iBT 94
  • 奨学金:成績により 10〜30%
  • 周辺環境:首都圏で治安が良い一方、生活費は都市水準で想定するのが無難。

University of New England(Armidale / Sydney)

  • 期間:2年/入学:10月
  • 学費:$34,146(別途 $33,216 の表記もあり:キャンパス/年度差の可能性)
  • 出願目安:学士以上+ Human Biology / Physiology 前提科目(オンライン代替可)
  • 英語:IELTS 7.0(W6.5)/ PTE 65(各)/ TOEFL iBT 94
  • 奨学金:成績により 20%
  • 周辺環境:地方型の生活設計になりやすい。家賃や環境面を重視する人は要検討。

La Trobe University(Albury / Bendigo / Mildura)

  • 期間:2年/入学:3月・7月
  • 学費:$45,000
  • 出願目安:学士以上+ Physiology & Anatomy、および「医療・看護分野の社会文化的概念」系科目(不足はオンライン代替可/既修により一部免除の可能性)
  • 英語:IELTS 7.0(各)/ PTE 65(各)/ TOEFL iBT 98
  • 奨学金:成績により 15% / 20% / 25%(Albury-Wodonga・Milduraのみ表記)
  • 周辺環境:地方キャンパス中心。生活費を抑えたい層に向く一方、居住エリア選定が重要。

※学費・条件は年度で改定されやすいため、出願時は最新情報で再確認が必須です。


3|修士課程の内容と正看護師資格取得

Master of Nursing は、看護学以外の学士号を持つ人が、正看護師になるために設計された課程です。

通常は2年間の全日制で、講義と実習を組み合わせた集中カリキュラムとなります。

多くの大学で、800〜840時間以上の臨地実習が必須です。
初年度から病院や医療施設での実習が始まり、複数の診療科を経験します。

修了後は、オーストラリア看護・助産師評議会(NMBA)への登録申請資格を取得できます。
これにより、オーストラリア国内で Registered Nurse として就労可能になります。


4|卒業後の就職とビザの選択肢

看護師はオーストラリアで慢性的に人材不足の職種です。
そのため、修了後の就職チャンスは比較的高い分野とされています。

卒業後は、Post-Study Work ビザ(サブクラス485)を利用できます。

2023年以降の制度変更により、
看護学修士修了者は最長5年間の就労許可が認められています。

この期間に実務経験を積むことで、以下の選択肢が現実的になります。

州政府ノミネーション
雇用主スポンサー(TSSビザ)
永住権申請(スキルドビザ系)


5|学費と生活コスト、留学生サポート

看護修士課程の学費は、年間およそ45,000〜55,000 AUDが目安です。
2年間で総額80,000〜100,000 AUD前後になります。

学生ビザでは、授業期間中でも2週間で48時間まで就労可能です。
アルバイトで生活費の一部を補いながら、医療現場に慣れる学生も多くいます。

多くの大学では、留学生向けに以下のサポートがあります。

英語アカデミックサポート
実習準備・履歴書指導
就職支援・キャリア相談


よくある質問(オーストラリア看護修士留学・RN)